母乳バンクができました!
お母さんが作ってくれる母乳は栄養としての役割だけではありません。小さな赤ちゃんの病気を予防してくれる、かかっても軽くすませてくれることが多くの研究結果から分かってきました。また、とても未熟な赤ちゃんも、生まれてできるだけ早くから母乳をおなかの中にいれていくことが、その後の成長・発達にプラスになることも分かってきました。このように母乳は特に未熟な状態で生まれた赤ちゃんにとっては、「くすり」でもあるのです。
このようなことから、アメリカ小児科学会、ヨーロッパ消化器栄養肝臓病学会は、母親の母乳が得られない場合、粉ミルクではなく、母乳バンクから得られるドナーミルクが選択されるべきであると記載しています。実際にヨーロッパ母乳バンク協会には27カ国が加盟し、216の母乳バンクが北米母乳バンク協会はカナダと米国からなり、16の母乳バンクが稼働しています。豪州、ニュージーランドには6つの母乳バンク、アジアでも中国、インド、フィリピン、香港に母乳バンクがあります。
この数年に母乳バンクが設立された国には、ポーランド、トルコ、フィリピン、中国、ニュージーランドなどがあり、北米やヨーロッパでも毎年新しい母乳バンクが次々にオープンしています。このように世界中の多くの国には母乳バンクがあり、ドナーミルクを提供する体制をどんどん広げているのです。
日本でも昭和大学江東豊洲病院に日本初の母乳バンクができました。未熟な赤ちゃんを産んだお母さんもおっぱいがでるまでの間安心・安全な「母乳」を赤ちゃんにあげることができます。これからはこの活動を日本中に広げて、どこで生まれても赤ちゃんにとってベストの栄養を届けられるよう活動してまいります。
これまでに以下の番組・記事で、この活動を取り上げていただいています。
NHK NEWSWEB24、おはよう日本、NHK News Watch 9
NHK BS 国際報道2015
日本テレビ news every.
NHK マイあさラジオ
TBSラジオ
東海ラジオ
朝日新聞、産経新聞、読売新聞、毎日新聞、東京新聞
クロワッサン
そんりーさ(医療者向け雑誌)

2015年10月18日 第2回 リサーチ・カンファレンスin豊洲
「これからの母乳育児支援にいきる知識を身につけよう」
場所: 昭和大学江東豊洲病院 9階講堂

リサーチ・カンファレンスの様子がNHKのニュースでも報道されました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151018/k10010274521000.html
医療関係者など、およそ160人の方々にお越し頂きました。
海外からの専門家・研究者や昭和大学江東豊洲病院の専門家をお招きし、
日本語と英語のスライドを使用しながら通訳付きで講義を聞いて頂きました。

Erika Cione先生
University of Calabria
MicroRNAs as immuno-modulator tool: a focus in premature new born

Roberto Cannataro先生
University of Calabria
The importance of the nutrients in human milk

水野 紀子先生
助産師・昭和大学小児科研究生
妊娠中から伝えたい母乳育児中に
摂取したい栄養素
〜VD・鉄・不飽和脂肪酸を中心に〜

今井 孝成先生
昭和大学医学博士
母乳とアレルギー

WeiWei Pang先生
シンガポール大学
母乳育児を成功させるために

Pauline Sakamoto先生
HMBANA president
米国:母乳バンクの現状と問題点
