母乳育児の経済的な効果 Health and economic value of human milk
母乳は正期産児の生存、成長、そして発達に必要とするものすべてを含有しています。
具体的には、三大栄養素、ビタミンや微量元素、そして発達に関連する長鎖多価不飽和脂肪酸、成長因子、サイトカインなどが母乳中には含まれています。
さらに、母乳は児の腸内細菌叢の一部となる共生細菌をも含んでおり、間接的に、児の体内での炎症反応や免疫調節にもかかわっています。他にもゲノムやmiRNAなど遺伝にかかわる物質も母親から児へと移行するのです。
母親の乳腺組織は自分が出産した児に最適な母乳を与えるために発達した稀有な臓器であるといえるでしょう。どれだけ人工乳を母乳に近づけても永遠にイコールとなることはあり得ません。
「母乳育児の経済的な効果」に関する研究の概要
目的:
乳児栄養と乳幼児期の健康との関連性に関する前方視的検討
方法:
栄養方法に関する質問、小児科受診回数と理由(熱や咳、下痢など)、お薬の内容、また粉ミルクや哺乳ビン、人工乳首ならびに搾乳器や母乳保存容器など栄養に関連した支払い金額、赤ちゃんの成長(体重・身長)をサイト上の簡単なアンケート(サーベイモンキー)に記入していただきます。1か月に1回のペースでアンケートにお答えいただきます。回数が進むとアンケート調査にかかる時間は短くなります。長い回でも1回15分程度で終了いたします。
研究への参加期間:
約1年間です。この研究への参加に同意いただきますと、期間中、登録いただいた予定日をベースに1か月に1回こちらからお送りするアンケート調査にお答えいただきます。このアンケート調査は、1歳のお誕生日を迎えたところで終了となります。
対象者:
これから出産される妊婦さん、出産後の赤ちゃんへの栄養方法を問わない。
本研究にご協力いただける方はこのボタンをクリックして、ご登録くださいますようお願いいたします。
ご登録後、サーベイモンキーよりメールが届きます。
実際に、海外では多くのバースコホート研究により、母乳育児は多くの疾病に対して予防効果があり、また、有意な発達向上につながることが示されています。残念ながら、日本において母乳育児がどのような利点を有するのかをしらべたバースコホート研究はありません。少子高齢化・医療費削減が大きな課題となっている現在こそ、母乳育児がもたらす恩恵をエビデンスとして表すことができるようこの研究を計画しました。
みなさまのご協力、宜しくお願い致します。